『師弟』


・所要時間約5

・登場人物

戦士()…若人。師匠の弟子。

師匠()…玄人。戦士の師匠。



戦士「ついにここまで来ましたね。」

師匠「そうだな。」

戦士「他の仲間は……。」

師匠「あいつらの死を無駄にしないぞ。」

戦士「はい。」

師匠「俺たちの力を信じよう。」

戦士「……はい。」

師匠「……震えてるのか?」

戦士「……いいえ。」

師匠「ふっ。無理するな。」

戦士「……武者震いですよ。」

師匠「ああ。分かってるさ。お前は強い男だ。」

戦士「ええ。行きましょう。」


ラスボスの攻撃。

食い止める戦士。


戦士「くっ。師匠!今です!」

師匠「おう!任せろっ!!!」


師匠の攻撃。

クリーンヒット。


戦士「相変わらず強いですね!師匠!」

師匠「お前もな。」

戦士「ありがとうございます。」

師匠「次、決めるぞ!」

戦士「はい!」

2人「うぉおおおおおおおお!!!」


2人の渾身の攻撃。

こちらもクリーンヒット。


戦士「よし!」

師匠「決まったな。」

戦士「これで……これで、この闘いは……。」

師匠「……いや。まだだ。」

戦士「……え。」


ラスボスが立ち上がる。

ラスボスが攻撃をする体制になる。


師匠「来るぞっ!!!」


ラスボスの大きな攻撃。

食い止める2人。


戦士「うっ。」

師匠「……くそっ。しぶといな。」

戦士「!!!師匠!!!腕がっ!!!」

師匠「大丈夫だ。これぐらい。」

戦士「だめです。一旦、退避しましょう。」

師匠「このまま、こいつを野放しに出来ないだろう。」

戦士「ですが!!!」

師匠「狼狽えるな。まだ闘いは終わってないぞ!」


ラスボスの攻撃。


戦士「ぐぁっ!!!」

ハム師匠「!!!」

戦士「……だい……じょう……ぶです。」

師匠「立てるか?」

戦士「……はい!」

師匠「くそ。このままじゃ……。」

戦士「どうすれば勝てるんだ……どうすれば……!」


少しの間。


師匠「弟子よ。」

戦士「はい!」

師匠「お前は、強くなりたいか?」

戦士「え?」

師匠「強くなりたいのか?」

戦士「はい。師匠のように強くなりたいです。」

師匠「そうか……。」

戦士「師匠……?」

師匠「あとは、任せたぞ。」

戦士「師匠!?何をっ!」


師匠、戦士を後ろに突飛ばす。


戦士「師匠!!!ダメです!!!その身体では!!!」

師匠「……お前に……師匠らしいところ見させてくれ。」

戦士「師匠!!!お願いです!!!行かないでください!!!」


師匠、ラスボスに立ち向かう。


師匠「うぉおおおおおおおぉおおおおぉおおおおおぉぉぉぉ!!!」

戦士「師匠ぉぉぉぉおおおおおおぉぉぉぉぉおおおお!!!」


師匠、自爆覚悟の特攻を決める。

ラスボスに致命傷を与える。

師匠倒れる。

戦士、師匠に駆け寄る。


戦士「師匠!!!師匠ぉ!!!」

師匠「……大丈夫だ。お前は……強い。」

戦士「師匠っっっ!ダメです!僕はまだ、貴方に……っ!」

師匠「……お前が、強くなりたいと言って、はじめて俺を訪ねた時……強くなっていくお前を見ている時……俺は嬉しかった。」

戦士「僕だって……っ!」

師匠「……はじめての弟子がお前で本当に良かった。これからも強くなるお前を……この目で見たかった。すまない……。」

戦士「謝らないでくださいっ!」

師匠「泣くな。辛くなるだろう?胸を張れ。」

戦士「うぅ……。」

師匠「……お前は、俺の最初で最後の……最高な弟子だ。」

戦士「師匠……そんな……最後だなんて、そんな事言わないでくださいっ!」

師匠「ありがとう。」


師匠が息絶える。


戦士「師匠ぉぉぉぉおおおおおおぉぉぉぉぉおおおお!!!」


ラスボスが、ゆらりと立ち上がる。


戦士「くそっ!くそぉぉぉぉおおおおおおぉぉぉぉぉおおおお!!!」


戦士、覚醒する。


戦士「お前を……僕はお前を許さない。」


戦士、怒りをラスボスにぶつける。


戦士「うぉおおおおおおおぉおおおおぉおおおおおぉぉぉぉ!!!」


戦士の攻撃がラスボスにあたる。

だが、ラスボスの反撃を受けてしまう。


戦士「ぐぁあっ!!!」

戦士「くっ!!!これでも……ダメなのか!!!」


戦士は覚悟を決める。


戦士「……師匠。僕は強くなりました。貴方に認められるために。大切なものを守るために。……でも……僕にはそれが出来なかった……。」

戦士「……師匠……ごめんなさい。」


戦士、自分の命を犠牲に相打ちをすることを決める。そして、捨て身の攻撃をする。


戦士「うぉおおおおおおおぉおおおおおおおおおおおおおおぉぉぉぉぉおおおお!!!」


戦士の懇親の一撃が決まる。

倒れるラスボス。

しかし、戦士も力尽きる。

戦士、涙しながら師匠の亡骸に語りかける。


戦士「…………師匠……。僕は……僕は、強くなれたでしょうか。……強い男になれたでしょうか。……大切なものを守れたのでしょうか。」

戦士「これからも強くなるって……言ってくれたのに……すみません……僕もここまでみたいです。」

戦士「師匠。ありがとうございました。」


戦士は、力尽き、倒れる。

~完~